代償性もまた繋がる
「代償性」については別記事でまとめましたが、
ここでは「その先」のお話をしようと思います。
カラダの持つ優れた「力の代替機能」を「代償性」と呼びますが、それは「1回限り」の能力ではありません。
代償性は連鎖する
この事実を覚えておいてください。
代償性が繋がる時
代償性とは「庇いあい」です。
本来の働きが難しくなった筋肉・関節をカバーする為に、周辺の補助筋が運動に参加する事で成り立つ「代わりの運動」です。
「代わりの運動」なので当然「本来の動き」とは全く異なります。
似ているけど別運動です。
ここで何が起こっているのか。
- 本来の筋肉:機能不全
- 代わりの筋肉:負担を背負ってサポート
この「ちょっと無理した状態」が代償性運動の代償(デメリット)です。
正常ではない筋肉と、本来はその仕事を受け持っていない筋肉の連携ですから、当然負担は溜まります。
特に「応援に駆け付けつけた筋肉」にそのしわ寄せ(負担)が向かいます。
そして「応援にきた筋肉」がその負担に耐え切れなくなった時。
新たな代償性が生まれます。
カラダが更なる負担を背負ってでも「パフォーマンスを落とさない様に」帳尻合わせをしてくれているのです。
- 力は何とか出せる。
- カラダは負担を抱え込む。
問題は「自覚症状が出ない」という点です。
自分のカラダに何が起こっているのかを感じ取れないと、問題がドンドン根深く厄介になっていきます。
出る時は一気に出てくる
この代償性の連鎖。
カラダを庇う為の生理反応ですが、不自然な力の流れで支えるカラダは負担が蓄積していきます。
循環系の機能が低下していく為に、疲労回復が間に合わなくなるからです。
そして、代償運動はより多くの筋肉に参加を要請する為、カラダの柔軟性が徐々に失われます。
常に緊張を抱え込む筋肉が増えていくのです。
そんな「がんじがらめ」の状態なので、問題が「痛み」となって出てくる時は一気に出てくる事が多いです。
ご注意ください。
負担のババ抜きが起こっている
代償性の連鎖とは何なのか?
言ってみれば「負担のババ抜き」みたいなものです。
- 元気な間は正常な筋肉が頑張ります。
- 偏りが出ると「代償作用」が始まります
- 限界を迎えると「新たな代償作用」へ繋げます。
- 代償の連鎖がタネ切れになると・・・・・
- 「大爆発」を引き起こします。
何処で負担が「痛み」「痺れ」に化けるかはわかりません。
でも、発症という形で表に出てくるまでは「代償の連鎖」で凌ごうとする。
どの筋肉・関節がババを引くのかは個人の生活次第です。
- 代償に任せると違和感は無いが身体は負担
- 痛くは無いけどおかしな動き
- 問題が出る時は一気にくる事が多い
- 代償に逆らうと何処かが突っ張り痛みやツリを感じる
- 正しい動きだけど痛みや違和感
- 緩いが常にある慢性痛
こういうこと
- 最初は代償で受け渡し
- 最後の場所が発火点となる
- 痛みの場所が始まりという勘違いが複雑にする
- 今も負担のババ抜きはその身体で起こっている。