【初めに】当HPの内容は全て院長個人の見解である事をご了承下さい。
【患者様からの質問】
Q:「施術時間、長くないですか?」
A:「ギリギリまで圧縮してこの時間です」
【解説】
俊カイロの施術は1枠120分となります。実際の施術は100分程度ですが、それでも一般の院に比べると3倍近いです。
施術時間については「長ければ良い訳では無い」「技術で短くするのが腕の見せ所」「長時間は自信の無さの表れ」等と割と辛辣な表現をされているケースが目立ちます。
「短い時間で確かな効果を」これが時代の潮流でしょうか。
試しに10のHPを覗いてみると、10院全てで同じ論調でしたので100分近くかかる私としては居たたまれません(汗。とはいえ、私自身もこの施術時間については日々考えさせられる事も多いのでキチンとお伝えしておこうと思います。
俊カイロと施術時間について、です。
施術は短い方がいい(※理想)
これは私もそう思います。
できるなら30分くらいでスパッと仕上げたいです。ですが、人のカラダは学べば学ぶ程に「省けないモノ」が増えていき、それを1つ1つ埋めていくと「省けないモノ(基本ルート)」だけで60分は溶けてしまいます。そこに個々人に対応した「個別の部分(派生ルート)」を組み込んでいくと100分が必要となりました。
短い方が良いのは間違いないのですが、限界まで削ぎ落して「やっとたどり着いた」100分です。これ以上の無理な時短は施術の質に直結してしまいます。
何故、ここまで「施術時間」に差があるのか?それは「カラダを楽にするか」あるいは「カラダを育てるか」の「目的の違い」がそうさせているとご理解下さい。
当院は「カラダを育てる」場所となりますので、どうしても手間暇が掛かってしまいます。
技術で時短が図れるか
技術による効率化は「使い処がとても難しい」と感じます。技術で「段階」を省略すると「即効性」が生まれる一方で「定着性」を失います。「受けたら楽だが、すぐ戻る」がこれです。
ヒトのカラダはとても不思議な構造で「効率性」を突き詰めているかと思いきや、一見すると「非効率(手間)」な仕組みが生きており、その「一見すると非効率」が実は「極まった効率性」の要であったりと芸術的にまで複雑です。自律神経系や筋肉の神経系等が正にこれにあたります。矛盾を抱えている様でいて、その矛盾と矛盾が「矛盾を解決している」様な有機的な機能美を誇ります。
全てに無駄がなく、意味があり、繋がり合っている。それが「生き物のカラダ」です。
そんな「人知(医学)の未だ及ばないカラダ」に「今、わかっている範囲」で働きかけるのが医療・類似医療行為です。常にカラダに対して謙虚に、そして慎重に向き合わなくてはいけません。
ヒトはまだ、医学を含め「効率化云々よりもより深く、正しくカラダを理解する事」に注力をすべき段階にあるのです。時短なんて100年早い。
私が考える効率化とは「順番を無視する、スっ飛ばす」モノではありません。あくまで「順番をこなす効率を上げる」モノです。ですので「各手間をこなす効率は上がるが、手間の数を減らす訳では無い」ので、技術が劇的な時短を実現するかというと少し違うかな。と経験上感じています。
磨いた技術は新たな手間を生み出す
技術が磨かれていくと「時短」の恩恵と同時に「今まで見えていなかっただけの、省いてはいけないモノ」が見えてきます。これを補う為に「新たな工数」が生まれ「浮いた時間」に組み込まれるという悩ましい循環が生まれます。
時間あたりの施術密度が上がるので実質的には効率化が図れていますが「施術時間」には変化がありません。私は臨床に出てからこれの繰り返しです。
結論として、私には30~40分で施術をまとめるのは現実的では無いな、というお話でした。